岸田総理の“側近”の秘書官が、LGBT=性的少数者などに差別発言をした波紋が広がっています。
秘書官個人の問題を超え、岸田政権自体の姿勢が問われる事態となっています。

LGBTや同性婚をめぐる差別発言は、先週金曜日の夜、総理秘書官の荒井勝喜氏の口から飛び出しました。
荒井勝喜前秘書官
「見るのも嫌だ。隣に住んでいると思っても嫌だ」
荒井氏は政権の“広報戦略”を担い、総理からも信頼を得ていた人物。

岸田総理
「言語道断の発言であると思っております」

発言の翌日、総理は早々に荒井氏を更迭。事態の沈静化を急ぎました。しかし、きょうの衆議院予算委員会では…

立憲民主党 後藤祐一衆院議員
「荒井総理秘書官の更迭の経緯、そして謝罪について、官房長官から質疑に入る前に一言あるべきではないでしょうか」
徹底抗戦の構えを示す野党側は一時、全員が委員会室から退席。審議に大幅な遅れが出ました。

岸田総理は、きょう…
岸田総理「総理秘書官の発言については、全く政府の方針と反しており、
国民に誤解を生じさせたことは遺憾であり、不快な思いをさせてしまった方々にお詫びを申し上げます」
荒井氏個人の問題である点を強調した総理。しかし、本当にそうなのか疑念も生じています。

そもそも、荒井氏の発言の発端は、岸田総理自身の答弁でした。
立憲民主党 西村智奈美衆院議員
「人権の問題なんです、同性婚の合法化というのは。いつまでに検討するのか、明言をしてください」
岸田総理
「全ての国民にとっても、家族感や価値観や、そして社会が変わってしまう、こうした課題」

同性婚を合法化すれば、“社会が変わってしまう”という答弁。荒井氏の差別発言は、記者団にこの答弁の真意を問われた際のものでした。

荒井前秘書官
「同性婚を認めたら、日本を捨てる人も出てくると思う」
さらに、後に撤回したものの、こんな発言もしていました。
荒井前秘書官
「(社会に)マイナスな影響がある。秘書官はみんな反対している」
LGBTの当事者は、今回の問題は「秘書官の更迭だけで済む問題ではない」と指摘します。

一般社団法人fair代表理事 松岡宗嗣さん
「非常に憤りも感じましたし、怒りを感じた。自分だけでなく、『秘書官みんなが反対している』と。
政権全体がそういった差別的な認識を持っていると思われても仕方がない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/408ecb5c61b0767012cddb15bad38f50c89f09fd