やばい 「ガラケー」が世界の若者にばれた [303493227]
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懐かしの「折りたたみ式ケータイ」に乗り換える高校生が続出…ジワジワ広がる「スマホ疲れ」という本音
2023年2月6日 13時15分
プレジデントオンライン
■アプリもGPSもタッチ画面もない
16和音のメロディーが届けた、新着メッセージ。心を躍らせ、小さなディスプレイで夢中になって返信をつづる。切手サイズの写メを送り合えば、粗い画像の向こう側にたしかなつながりを感じられた――。
1990年代から2000年代にかけて花開いた「ガラケー」文化がいま、アメリカで一部の若者の心をわしづかみにしている。
https://news.livedoor.com/article/detail/23661020/ 彼らが使う携帯には、アプリもGPSもタッチ画面もない。数字の並ぶキーパッドと、10文字も打てば折り返してしまう小さなディスプレイがすべてだ。必要なときには最小限の通話を行い、お世辞にも高画素とは言えないカメラで友人とのひとときを記念に収める。
惹(ひ)かれる理由はさまざまだ。ある青年は未知のガジェットとして新鮮味を見いだし、通知の嵐に辟易(へきえき)したある少女はガラケーに乗り換えて自分らしい時間を取り戻した。
不便なガジェットをあえて相棒に選ぶことで、外出すればリアルな街とのつながりが感じられ、自分自身の脳を使ってものを考えるようになったという声もある。
20年前の若者が未来を感じた折りたたみ式の電話は、2023年になっても同じように若者たちを魅了しているようだ。
こうした旧式携帯は、アメリカではフリップフォン(折りたたみ電話)などと呼ばれる。狭義のガラケーは日本仕様の製品を指すが、本稿では便宜上、アメリカのものも含めてガラケーと表記している。 ■ガラケーを使う高校生クラブが立ち上がった
米ニューヨーク・ブルックリンに位置する広大なプロスペクト公園の片隅に、市民に愛される中央図書館が居を構える。図書館のホールへと続く石段が、「ラッダイト・クラブ」のメンバーたちの集合場所だ。
ニューヨーク・タイムズ紙は、スマホを使わないこの一風変わった高校生クラブの活動を報じている。
記事によると、日曜日になるとどこからともなくメンバーが現れ、図書館の石段へと集う。InstagramやSnapchatでグループチャットが届いたから来たわけではない。約束の時間に、約束の場所に集まったのだ。
メンバーの一人、高校3年生のオディール・カイザーさんは、同紙に語る。「晴れても降っても、たとえ雪の日であっても、毎週日曜日になると集まります。お互い連絡は取らないから、だからこそ来なくてはいけないんです」 メッセージ1通でドタキャンできない状況が、仲間への責任感と結束を生んでいる。
彼らは意図的にテクノロジーから距離を置いている。メンバーの一部はスマホではなく、あえてガラケーしか持たない。スマホを持っているメンバーも、集会中は目に付かない場所にしまっておく。
メンバーたちは落ち葉を踏みしめて丘をのぼり、混雑したパークのなかでも静かな一角に着くと、手頃な丸太を探してきて輪を作る。そのうえに腰掛け、思い思いの時間を過ごすのが通例だ。
スケッチをし、読書に興じ、あるいはただ風のリズムに耳を傾ける。この時間だけは、だれかのきらびやかな自撮りに「いいね」する必要もなければ、溜まったソシャゲ(オンラインゲーム)のライフを消費する必要もない。 ■SNSで燃え尽きた17歳女性に起きた変化
ラッダイト・クラブの名は、10世紀にイギリスで起こった機械化反対運動に由来する。メンバーは文明を捨てたわけではないが、スマホとの距離を見直そうとしている。
メンバーで高校4年生のローラ・シュブさんは、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、「折りたたみ携帯を手にした瞬間、すべてが変わりました」と語る。「脳を使い始めたんです。自分自身を人間として観察するようになりました」。本を書く余裕も生まれ、すでに十数ページを書き進めた。
クラブを立ち上げたのは、17歳のローガン・レーンさんだ。ソーシャルメディアに燃え尽きた彼女は、はじめにInstagramのアプリを削除し、ついには自身のiPhoneを箱にしまった。生まれた瞬間からこの世にスマホがあった彼女にとって、これが新しい扉を開いた。
「頭で考えるようになりました」と彼女は言う。iPhoneのない生活は、それまでとまったく違うものだった。図書館で小説を借り、地下鉄のグラフィティに目を奪われ、新しい友人たちと知り合った。 ブルーライトに悩まされず、目覚ましの力を借りることなく朝7時に起床するようになったという。iPhoneを運河に投げ捨てることまで夢想したが、さすがにそれは思いとどまった。
両親はおおむね満足している。夕食の席では、ローガンさんからその日の冒険物語を聞くことができるようになった。ただし、安全性だけは気がかりだ。スマホのように位置情報を把握できなくても、せめてガラケーだけは持って出掛けてほしいと、両親はローガンさんの説得を試みている。
最近、ローガンさんの母親は、スマートフォンでTwitterを使い始めた。そして案の定、早くもTwitter疲れに直面している。ローガンさんはニューヨーク・タイムズ紙に対し、「ちょっとだけ優越感をあじわえるので、この状況は気に入っています」と笑う。 ■スマホしか知らない世代にはレトロなアイテムに見える
こうしてスマホは携帯電話のスタンダードとなった。ところがいま、ガラケーを知らないアメリカの若者たちにとって、かえって旧式の機種が興味をかき立てている。
ソーシャルメディア疲れで距離を置きたい、通話だけできればいいという需要に応えるほか、レトロでファッショナブルなアイテムとしても注目されているようだ。
米CNNは、「Z世代がいま熱狂する最新の『ヴィンテージ』アイテムは、1990年代半ばにミレニアル世代のあいだで流行した、あの折りたたみ携帯である」と報じている。
ソーシャルメディアに気を散らされる心配がないだけでなく、まるで90年代の映画『マトリックス』に登場する「Nokia 8110」のようだとして、レトロな魅力を放っているようだ。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています