全国各地で相次ぐ広域強盗事件を巡り、フィリピンの入管施設や司法制度にも注目が集まっている。
公務員の腐敗体質や超法規的な措置に焦点を当てた報道が目立つが、実情はどうか。
在フィリピン日本大使館の専門調査員などを務めた神戸市外国語大国際関係学科の木場紗綾准教授(東南アジア政治)に話を聞いた。
(マニラ・藤川大樹)

 容疑者らは収容先の「ビクタン収容所」に携帯電話を持ち込んでいた。
 
「収容所は不法滞在や未決勾留の外国人を収容する施設。推定無罪の原則から言えば、それほど厳しい措置は取れない。
フィリピンの知識人や活動家らは人権意識が高く、入管職員も人権侵害の批判を恐れる。家族との通話や本国との連絡に必要な場合もある。必ずしも携帯の持ち込みが犯罪の温床になるわけではない」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/229379