【小林 美希】教科書代1万5000円が重くのしかかる…月収9万円シングルマザーの「絶望的な生活」

平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか?

話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、
月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、
ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。

ここでは、「月収9万円シングルマザー、永遠のような絶望を経験した先の『夢』」と題した
「年収120万円」41歳女性へのインタビューをお届けする(前回はこちら)。

ずっとガラケー、パソコンでLINE
携帯電話もスマホは高いのもあり、ずっとガラケーでした。話すだけならガラケーが安価だし便利です。
通信し放題のプランでも月2500円程度で済むし。

でも、子どもが野球少年団に入ると、「今、試合が終わった」など、親御さんたちとLINEで連絡しなければならないことが多くて。
今は、パソコンでLINEをつないで返信しているのですが、やはり自宅を出るとLINEが見られず支障が出るので、スマホに変えるか気持ちが揺れているところです。

それにしても、人との付き合いは苦手です。練習を見ながら、なんであんなにしゃべっていられるのか。他の親御さんたちは
野球少年団の活動にすべてを捧げているような感じで、土日も祝日もなく練習のため、送迎は必須。
保護者たちが試合会場までの配車や、グランドの整備や準備をしているんです。
私にはついていけないので、申し訳ないと思いつつも一線を引いてできる範囲で関わるようにしています。

親の私もゆっくり休める休日が無くなってしまったことや、頑張っても試合に出られない子どもの姿を見ることに、
一時期はノイローゼのように精神的に追いつめられてしまいました。

コロナで練習がなくなると、正直ホッとしちゃいますよ。息子は友達と一緒に野球チームに入って、
グローブを誕生日プレゼントにしたら喜んでくれて、とても楽しそうに野球に行くので、できることは協力したいと思っています。

教科書代が重くのしかかる
娘は塾に通わずに公立高校に進学して、部活は入っていないので費用はかからずにいます。
けれど、高校も無償化になったはずでも意外とお金がかかります。

入学した春は制服や体操服で5万円以上、教科書代だけでも1万5000円も用意しなくてはなりませんでした。
息子の小学校も給食費が毎月5000〜6000円。教材費も1500円はかかるので、毎月の学費だけでも大きな負担です。

コロナ禍で母子家庭や住民税非課税世帯には何度も特別給付金が出ましたが、離婚が成立していない我が家は対象外です。
市の就学援助も受けられません。コロナで18歳以下の子に出た、子育て世帯への臨時特別給付金の10万円はもらいましたが、
税金の支払いや保険代、生活費に消えました。

この給付金、所得制限がついて、世帯年収が960万円以上は対象外ということで議論が賛否分かれましたが、
私の収入から考えたら、はるか遠い世界の話です。それだけ収入があっても足りなくて生活が大変って……。
本当に、私のいる世界とは別世界です。そんな話を聞くと、申し訳ないですが共感することができず複雑な気持ちになってしまいます。
https://news.livedoor.com/article/detail/23663211/