公務たったの38日で年俸762万円。準備1か月、自腹費用12万円で市議会議員に当選した現職議員が「なり手不足の地方議員は若者にとって超ブルーオーシャン」と言える理由

地方議会はいかにおいしいのか?

2019年に出馬して、見事当選。現・秦野市議会議員の伊藤大輔氏が、主に神奈川県秦野市におけるミクロのデータを使って説明する。

秦野市は神奈川県の真ん中よりやや西寄りに位置し、東京からの距離は約50km。

小田急線の急行停車駅が4つあり、新宿から電車で1時間ほど。市域の面積は約100㎢だが、その半分は丹沢大山国定公園であり森林である。残る50㎢に約165,000人が住むコンパクトな自治体である。

年俸762万円・労働日数38日・兼業OK
たとえば、次のような求人広告があったとする。

年俸:762万円
労働日数:38日(注1)
任期:4年間
兼業:あり
募集定員:24名
競争倍率:1.17倍
(注1)秦野市議会(令和元年度)の開会及び会議等日数。

仕事の内容はともかく、どうだろうか? 

「おいしい仕事だ」と思った人もいるだろう。

特筆すべきは、年俸を労働日数で割ると、日給およそ20万円。さらに時給換算すると、 約2.9万円/時(勤務時間9時~17時、休憩1時間の1日7時間労働と仮定)。

経験上、議会の開会日や議員連絡会は、ほぼ午前中に終了し、委員会や一般質問のある日でも17時を回ることは稀なので、実際の時給はおそらくもっと高い。
こういう話をすると、「議員の仕事は議会活動だけではない」という声がすぐにでも飛んできそうなので、あらかじめ断っておくが、「議員の仕事で一番大切な仕事も議会活動である」。

地方議員は「兼業あり」であるにもかかわらず、市議会議員の約44%は議員専業である。町村議会議員→市議会議員→都道府県議会議員の順に専業率は高まる傾向にある。

僕は写真家を続けながらこの仕事をしているが、昨今の自由な働き方を考えると、現在の仕事を続けながらでも十分に議員の仕事を兼業できる人は多いのではないか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/27d198c2642fcdd1acf01cdd5db54d6ba237e209