三菱重工業は、愛知県などを拠点に開発を進めた国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)について、開発を取りやめ、事業から撤退すると発表しました。
国産ジェット旅客機「スペースジェット」 事業撤退を発表 三菱重工業

三菱重工業 泉沢清次 社長:
「一定の水準の機体を開発できたと評価している。しかし、プロジェクトを開始してから、すでに時間は経過しており、一部の機能や装備品で最新の技術と比べ、競争力が低下しているということは否めない。ご期待ご支援をいただいたが、開発中止の判断に至り、大変残念」

プロジェクトは2008年に始まりましたが納期の遅れを繰り返し、新型コロナ禍の2020年から事実上、凍結されていました。事業化を見通せず、撤退に追い込まれた形です。

愛知県は、これまでに約98億円の予算を投じ、次世代産業の柱として期待してきました。

大村秀章 知事:
「今回の開発中止の結果、多くの関係者に多大な影響を及ぼしたことには大変遺憾。愛知を中心とした地域が、日本の航空機産業、航空宇宙産業の拠点であることは変わらない」

大村知事は、「完成旅客機の事業から国策として手を引くのはありえない選択だ。航空機産業は成長産業だ」として、今後も支援する考えを示しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c1ed07049345b435a3ecbbcc08583aaf1d1a2d15