米本土上空を飛行し米軍が撃墜した中国の偵察気球は、中国軍内で宇宙やサイバー戦を担当する戦略支援部隊が管轄し運用に関わっていたことが9日、分かった。

複数の中国筋が明らかにした。
軍は気球の米本土侵入を自国の外務省にも連絡しておらず、最高指導部は部門間の意思疎通の改善を指示した。

中国筋によると、気球は政府直属の研究機関、中国科学院傘下の宇宙技術研究機関が開発した軍民両用の偵察気球。

中国は「民間の気象研究用飛行船」と主張しているが、同部隊は軍が民間と協力する「軍民融合」を推進しており、実態は軍主導。

これまでも偵察用気球を台湾海峡や南シナ海など世界各地で飛行させているという。

バイデン米政権は気球について、中国が米国の戦略的拠点を監視する目的で利用していたと判断。民間利用とする中国の主張を退け、残骸を回収し解析を急いでいる。

中国では宇宙関連装備の多くは軍と民間が共同で開発・運用。
その実態は不透明で、中国筋によると、今回、米国に中国の気球が侵入したことを軍は外務省などに通知していなかった。