五味はこれらの取材を元に、金正男の告白本として『父・金正日と私』を金正日死去の翌月である2012年1月に出版した。2010年10月のテレビ朝日によるインタビューなどで北朝鮮の権力世襲に対して金正男が否定的な見解を持っていることは既に公にされていたが、同書によって「この世界で、正常な思考を持っている人間なら、三代世襲に追従することはできません」などと世襲を強く批判する金正男の発言や金正日も三代世襲に否定的だったとする証言が公開された。また同時に、日本をはじめとする国外に対する金正男の理解の深さについても明らかとなり、その内容については海外からも大きな関心を集めた[3][5]。同書は第44回大宅壮一ノンフィクション賞候補作品となった(ただし、受賞は逃した)。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20221005-OYT1T50183/