このような反Colabo運動に参加する人々のことを、「暇アノン」と呼ぶ人もいます。
アメリカの陰謀論に基づく政治運動「Qアノン」と、反Colabo運動を中心となって展開している男性のハンドルネームを掛け合わせて作られた造語のようです。

アメリカの陰謀論者は、「ディープステート(闇の政府)が存在する」と主張しますが、反Colabo運動も「Colaboをはじめとした『ナニカグループ』が裏で政治に根を張り日本を支配しようとしている」という類の主張をしており、確かに共通点は少なくありません。

つまり、これは「Colabo問題」ではなく「Colaboバッシング問題」です。マスメディアは、産経新聞のように反Colabo運動に同調するかのような記事を出すのではなく、Qアノンの問題と同様、それと非常に似た動きをする「反Colabo運動」の特異な実態にこそスポットライトを当てて報じて欲しいものです。

でも、なぜこのような事態に至ったのでしょうか。
前述した反Colabo運動を中心となって展開する男性は、運動の動機について、「作品を燃やす人間を調べ上げて腹探るのが趣味」などと繰り返し述べていました。

ここで言う「作品を燃やす」とは、温泉地を萌えキャラクター化した「温泉むすめ」というキャンペーン企画について、仁藤氏がその女性蔑視的な表現を批判したことを指しているようです(Twitter、2021年11月15日)。

仁藤氏の指摘を受けて批判が高まり、運営側は表現を修正したのですが、この出来事を「フェミニストによって作品を燃やされた」として恨みを持った2次元キャラクター好きな人々が一定数いたようで、この男性もその一人だったのかもしれません。

https://webronza.asahi.com/culture/articles/2023020700006.html?page=3