ウクライナのシュミハリ首相は14日、ロシアがウクライナで水の供給を妨害しようとしており、原子力発電所の稼働に必要な貯水施設に深刻な影響を及ぼすとの懸念を示した。

シュミハリ氏は「ロシア軍によってカホフカ水力発電所の水門が一部破壊され、その後意図的に水門が開けられたため、多くの水を失っている」「ドニプロ川から取水している一部の集落は飲み水を得ることができないかもしれない」とSNS「テレグラム」への投稿で明らかにした。

同氏は原発への脅威はより深刻な問題だとし、「貯水施設の水位の低下はザポリージャ原発の冷却システムの誤作動につながる恐れがある」と述べた。

水供給への妨害はウクライナの電力網への度重なる攻撃に続くものだとも指摘した。

「文明世界は沈黙すべきではない」「水門を閉め、カホフカ水力発電所の施設を元の状態に戻すか、ウクライナの技術者に修復させるようロシアに圧力をかけるべくあらゆる手段を取るよう求める」と述べた。

ウクライナの水供給の混乱はロシアの侵攻以来、広範囲で継続的に発生している。

CNNは昨年12月、ロシアがウクライナの電力網を執拗かつ広範に攻撃したため、多くの市民が厳しい寒さの中少なくとも一時的に電気、暖房、水など重要なインフラサービスがない中で過ごすことになったと報じた。11月にはウクライナ最大の国立病院の一つがロシアの空爆で水を利用できなくなり、地方当局者は一部の患者を「避難させるところだった」とCNNに語った。

https://www.cnn.co.jp/world/35200039.html