ロシア国防省も受刑者をウクライナへ、戦死者続出…CNN報道

米CNNは14日、ロシア国防省が国内の受刑者を、ウクライナへの戦闘に参加させていると報じた。参戦した複数の受刑者がCNNに証言した。受刑者による突撃部隊も作られており、戦死者が続出しているという。ロシアでは民間軍事会社「ワグネル」が約4万人の受刑者をウクライナに派遣しているが、国防省も受刑者を派遣していたことになる。

元軍人だったという受刑者はCNNに対し、昨年10月、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムト近郊ソレダル周辺の工場への攻撃に参加したと述べた。生還したのは約130人のうち約40人だったという。

同じ攻撃に参加し、負傷した受刑者は、収容先の病院で強制退院の不安を音声メッセージで妻に送ったが、数日後、遺体となって妻の元に戻ってきた。戦死したと説明されたが、つじつまが合わない点があり「処刑」された疑惑が浮上している。

プーチン大統領は昨年11月、殺人など重大犯罪で服役している受刑者の招集を合法化する法律を成立させた。ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は最近、受刑者の勧誘を停止すると発表しており、露当局による妨害を受けたためとの見方も出ている。

ロシアの前身、ソ連の独裁者スターリンは第2次大戦の独ソ戦で、100万人近い受刑者を戦場に送って兵員を補充したとされる。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20230215-OYT1T50042/