広島県福山市は新年度、敬老行事の対象を従来の「75歳以上」から「80歳以上」に引き上げる方針を固めた。一律の記念品提供も取りやめる。団塊世代すべてが75歳以上になる2025年問題を控え、対象者の急増で関連予算が膨らんでいた。

市が16日、市議会側に説明した。市は昨年の敬老の日に合わせ、75歳以上の市民(約7万6千人)を対象に500円分の商品購入券を記念品として配った。敬老行事に関連する予算は約8500万円に達した。

新年度も75歳以上に記念品を贈ると、対象者は8万人を超す。市は自治会や老人クラブと意見交換。「75歳は若いと感じる人が増えた」「記念品は物ではなく言葉がうれしい」などの声があり、見直しを決めたとしている。

新年度は80歳以上(約5万2千人)を対象に祝いのメッセージカードを贈る方針。80歳や90歳などの節目に贈る特別記念品は残すという。(西本秀)

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