中曽根元外相の選挙に「旧統一教会300世帯が参加」 教祖発言

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創始者・文鮮明(ムンソンミョン)氏が2005年に信者に向けて行った説教で、自民党の中曽根弘文元外相(77)を当選させるため「統一教会のメンバーら300世帯が選挙に参加した」と選挙支援に言及していた。韓国語で記された文氏の発言録全615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。【田中裕之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】

父・中曽根康弘氏は歴代首相で最多言及

 中曽根氏は、1982~87年に首相を務めた中曽根康弘元首相の長男。康弘氏が首相だった86年の参院選で初当選し、現在7期目で参院憲法審査会長を務める。発言録全巻の中で父康弘氏は、日本の歴代首相で最も多く言及されていたことが毎日新聞の調査で既に判明しており、「親子2代」にわたって教団と接点を持っていた可能性が浮かんだ。

 発言録483巻80ページの記述によると、文氏は05年1月16日に韓国内で行った説教で次のように語った。

『中曽根』(の名字)は、重大な立場の者が真ん中に立って根をつないでいくという意味だ。重大な使命を失ってしまうと一族が、子孫が、滅びていく。今回、その(一族の)中曽根弘文を選挙で当選させようと、統一教会のメンバーら300世帯以上が記録的に選挙に参加した。だから当選した。金持ちが一つになって援助をしなければ、切られてしまう。統一教会は怖いところなのだ」

https://mainichi.jp/articles/20230206/k00/00m/010/283000c