日本の新型ロケット「H3」ロケットとは? 柔軟性・高信頼性・低価格がカギ
H3ロケットの役割
H3ロケットは「自立性の維持」と「国際競争力の確保」という役割を担います。
1つ目の「自律性の維持」とは、「安全保障を中心とする政府のミッションを達成するため、国内に保持し輸送システムの自律性を確保する上で不可欠な輸送システム」(H3 PRESS KIT p5から引用)である基幹ロケットを日本が自ら運用することで、日本の人工衛星を日本のロケットで自由に打ち上げる能力を持つことを指します。これまではH-IIAロケットが基幹ロケットとしての役割を担ってきましたが、今後はH3ロケットが引き継ぐことになります。
2つ目の役割は「国際競争力の確保」です。ロケットは政府系の人工衛星を打ち上げるだけでなく、国内外の民間の衛星会社から打ち上げを受注する「商業打ち上げ」も行います。近年はアメリカや中国など海外の打ち上げコストが低下する一方で、日本のH-IIAロケットはコストが高いために選定されにくくなっています。H3ロケットでは低コスト化を図るとともに柔軟な打ち上げに対応することで、年間6回程度の安定した打ち上げを実施することが計画されており、商業打ち上げの受注数増加が期待されています。
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