『BLUE GIANT』原作:石塚真一 “音が聞こえてくる漫画”その熱はいかにしてアニメに移植されたのか

2013年から「ビッグコミック」(小学館)で連載中のジャズを題材にした漫画「BLUE GIANT」。この作品がアニメ化されると聞き、筆者はすぐさま取材を申し込んだ。
原作のファンであることは勿論、作者の石塚真一作品を追いかけてきたからだ。漫画原作のアニメは数多いが、ファンが期待する世界観と相いれないことで失敗する作品もある。しかし『BLUE GIANT』は図抜けた成功作だと断言できる。
取材時点では未完成ではあったが、それでも鑑賞中に筆者の涙腺は何度も崩壊してしまったからだ。

仙台出身の青年・宮本大は世界一のジャズプレーヤーを目指して上京。同世代の若者とトリオを組んでジャズの世界で羽ばたこうと突き進む。
そんな青春群像を描いた漫画「BLUE GIANT」は“音”を紙上で見事に表現、「音が聞こえてくる漫画」と評される。
本作はそんな優れた原作に縛られることなく、アニメとしての最大限の強みを生かし演奏シーンの“熱”を映画に移植してみせた。今回のアニメ化の過程を原作者の石塚真一先生に伺った。

実写ではなくアニメがよかった
『BLUE GIANT』2月17日(金)全国公開 配給:東宝映像事業部 c2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 c2013 石塚真一/小学館

Q:「BLUE GIANT」の映画化は最初からアニメとしてオファーされたのでしょうか?

石塚:以前は実写映画の企画もいただいていました。でも周りとは「この作品はアニメの方がいいよね」という話をしていたんです。そうしたら東宝さんから「アニメで」というお話をいただいて、「これは良いな」と。

Q:映像化するならアニメ、と考えたのはなぜですか?

石塚:実写映画で俳優さんがサックスを吹くと、キャラクターのイメージが特定の個人のものになってしまう。その点アニメーションの方がキャラクターとして広がりがあるだろうと。

Q:取材時点では映像は未完成ですが、私は原作ファンなので音だけで感動してしまいました。

石塚:今回は上原ひろみ※さんに劇中の曲をほぼ全て作曲してもらいました。よく紙面から音が聞こえると言われますが、それは読者が脳内で音楽を鳴らしながら読んでくれているからですよね。
みんなの頭の中で思い描いた曲にどれくらい近づけているのかな、でもいい音楽なのできっと大丈夫だと思います。グッとくるんじゃないかな。

(以下ソース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3fec37ea9cbeedeccf2ddc4d811c3603b6596911