京都府警は2月14日、女性のスカート内などを盗撮した府迷惑防止条例違反(ひわいな行為の禁止)の容疑で、京都市伏見区の無職、森雅紀容疑者(46)を逮捕した。
「森容疑者は、インターネット上で『Mr.研修生』を名乗り、動画販売サイトで盗撮動画を販売していました。
また、ブログ運営もしており、いわゆるマニア界隈ではかなり名の知れた“カリスマ盗撮師”でした。2022年末にブログ記事が削除され、『逮捕されたのでは……』と噂もされていたようです。
府警は、森容疑者が動画の販売で約1億5000万円を売り上げたとみています」(事件担当記者)
京都府警は、2021年2月から2022年10月までの間に、京都市伏見区の商業施設で、森容疑者が合計113回にわたり盗撮をおこなった容疑で逮捕した。
現時点で、女性高校生4名の被害者を確認している。
京都府警人身安全対策課の担当者はこう話す。
「森容疑者の盗撮動画を府警のサイバーパトロールで確認したのは、3~4年前からでした。
それ以来、捜査を進めていましたが、盗撮動画が膨大で、被害者の特定に時間を要したことで、ようやく逮捕になりました。
2022年12月の、森容疑者の自宅の捜索では、スマートフォン19台、ハードディスク64台などを押収しています。
サイトでの販売は12年前から確認していますが、押収した動画の中には17年前、2006年に盗撮したとみられるものもありました。
森容疑者は『盗撮動画を売って生活していた』と供述しており、取り調べには素直に応じています」
伏見区にある森容疑者の自宅は、築15年以上の賃貸アパート。間取りは2LDK、家賃は7万5000円ほどの部屋でひとり暮らしをしていた。
森容疑者は、盗撮の時効が成立するように、撮影から3年経過した動画を中心に販売するなど、計画的に販売をおこなっていたようだ。
「今回、3年の時効が成立していない動画を特定し、112人の被害女性がいることを確認しており、かなり悪質な犯行だとみています。
迷惑防止条例違反の場合、被害者からの被害届がなくても逮捕容疑は成立しますが、4名の女子高校生からは被害について直接、話を聞きました。
ほかの被害者の中には被害を申し出たくない、という人もいました。
動画に映っていた被害者には、中学生や高校生など10代女性が圧倒的に多いのと、ほとんどの盗撮を伏見区の同じ商業施設でおこなっていたのが特徴的です」(前出・人身安全対策課の担当者)
犯行現場となった商業施設は、森容疑者の自宅から徒歩10分ほどの場所にあるショッピングモールだ。施設の買い物客だけでなく、ショップの女性店員も盗撮の標的になっていた。
「ニュースは見ましたけど、まさか、ここのショッピングモールで盗撮していたなんて、まったく知りませんでした……」
取材当日にショッピングモールを訪れていた女子高校生は、こう驚きを隠せない様子だった。
森容疑者は、スマートフォンを取りつけるなどの細工をしたカバン型カメラで盗撮行為を繰り返していたが、
商業施設の近辺では「怪しい人がいる」といった噂が聞かれたこともなかったという。
人目を忍んで、盗撮をおこなっては自宅に引きこもり、動画を編集する……。そんな生活を、森容疑者は17年前から続けていたのだろうか。