ある試算によると、ロシア軍は2、3年後に戦車を使い果たす恐れがある。そのため、ロシアが近い将来、ウクライナのように同盟国に戦車の供与を求める可能性がないとは言えない。

ロシア軍は、侵攻先のウクライナにT-90、T-80、T-72の戦車約2500両を配備。この1年の激戦で1600両以上を失った。

ロシア政府は戦車メーカーのUralvagonzavod(ウラルバゴンザボド)とOmsktransmash(オムスクトランスマッシュ)に損失分の補てんを命じたが、できることには限界がある。

両社は、新しい戦車を大量生産する能力も部品も不足している。あるのは長期保管されている古い戦車ばかりで、こうした旧式戦車はコストをかけずに復活させ、前線に投入できる。

ロシア中部スベルドロフスク州に本社を置くウラルバゴンザボドは、新型のT-72B3やT-90Mを生産しているが、そのスピードは遅い。ロシア紙ノーバヤ・ガゼータによると、同国の防衛産業が現在生産する戦車は年250両以下だ。

だがこのままでは、装甲部隊の戦力を維持するだけでも毎年1600両の戦車を用意しなければならない。過去数十年で最大規模の生産能力拡大が行われない限り、1350両の「新しい」戦車を用意するためには、備蓄されている旧式戦車を使う必要がある。https://news.yahoo.co.jp/articles/2f5ec163b7553ce5370817f4bdfae48c8732c4bc