矢を放って敵に「ブス」っと刺さり「ぐぁ~」

矢を放って敵に「ブス」っと刺さり「ぐぁ~」と悲鳴があがる。時代劇などで弓を引くシーンがあるが、上手な人は多くない。矢を放つ瞬間の「離れ」を見たらわかる▼弓道には射法八節(しゃほうはっせつ)という基本的な動作があって、「離れ」は最後から2番目。ちなみに、弓の弦(つる)を引いている右手の勝手(かって)は右耳のうしろまで引く▼そうなると、矢を放った瞬間の勝手の動きは視界に入らない。引いた手が見えるアーチェリーとの違いだ。
的を外した場合、勝手がおかしな動きをした、弓を持つ左手の先手(さきて)の加減が悪い、あるいはその両方が要因となる▼時代劇など実写の一部は「離れ」で、弦を引いた手が一度戻る動きや、不要なぶれが出る。これを「弓に負ける」とでも言うのだろうが、俳優が弓術を表現するには限界がある▼アニメは別だ。最近、高校弓道部を題材とした「ツルネ」というアニメがあって、楽しく見ている。
実写と違って再現性が高く、「離れ」もきれいに表現。「当たるわけがない」というストレスが生じない▼さて、市内には「桃弦会」という弓道愛好会があるようで先日、イベントも開かれた。市民は流鏑馬(やぶさめ)の迫力に驚いたことだろう。弓道の裾野を広げる活動を小欄でも応援したい。(玉津盛昭)

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