過去最大規模の週休3日制の実験が英国で実施され、参加した企業の大部分が週休2日制に戻らない方針であることが分かった。また、3分の1の企業が週休3日制を恒久化する用意があるという。

  今回の調査には英国企業61社と従業員約2900人が参加し、2022年6月から12月まで自主的に週休3日制を採用した。この実験の停止を決めたのは3社にとどまったほか、2社はさらなる時短を検討していることが、21日公表のデータで示された。それ以外の企業は、売上高の増加や離職の減少、従業員の燃え尽き感の低下が、週休3日制を選好する決め手となった。

  厳しい経済状況の中で数千人の従業員が週休3日制を実施したことは注目に値する。調査当時は、急速なインフレ、政治の不安定性、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の影響などが多くの英国企業を圧迫していた。景気低迷のさなかに勤務時間の短縮プログラムを開始することは問題があると考えられたこともあった。

  調査を主導した米ボストン・カレッジの経済・社会学者ジュリエット・ショア氏は「企業が週休3日制を機能させることがずっと難しくなるかと考えていたが、答えはノーのようだ」と指摘。同氏の研究では以前から、週休2日制がもはや現代の従業員、特に育児や介護を担う人のライフスタイルに適合していないことが示されていた。

 今回の英国のデータは、昨年12月に公表されたより小規模な実験の結果を明確に裏付けた。米国やアイルランド、オーストラリアの企業を対象とした当時の調査では、同様の売上高増加や従業員の生産性向上および常習的欠勤や離職の減少が示されていた。これらの実験はより小規模で、対象となった企業数は英国の調査の半分、従業員数は3分の1だった。

  ショア氏は「基本的に同様の結果が得られた」とし、違いはわずかに過ぎないと述べた。

  今回の英国の調査結果は、進行中の週休3日制実験で2回目の主要データ公表となり、ニュージーランドに拠点を置く非営利団体「4デー・ウィーク・グローバル」が調整を行った。

  調査では、従業員が週休3日制の下で、ストレスや疲労感、健康から私生活に至るまであらゆることが改善したと回答。また、参加者2900人のうち週休3日制をやめたいと回答した人はゼロで、15%はいくらお金を積まれても週休2日制には戻れないと答えた。

原題:World’s Largest Four-Day Work Week Trial Finds Few Are Going Back(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-21/RQESWET0AFB401