上尾事件において
乗客が暴徒と化した理由

その日も列車は大幅に遅れていた。所定6時54分発上野行き列車は14分遅れてホームに到着したが、既に車内は満員で多くの乗客は乗り込むことができなかった。

乗れなかった乗客数人はドアを抑え、発車を妨害。そこに後続の列車が到着し、隣のホームに停車したが、乗客はこの列車の発車も許さなかった。この日は群馬県の高校入試当日だったこともあり駅員は妨害をやめるよう呼び掛けたが、乗客はだんだんとヒートアップしていった。

ついに群衆は駅舎に乱入し、駅長や助役をつるし上げ、設備の破壊を始めた。当時の高崎鉄道管理局営業部長は多数の乗客に取り囲まれ「責任者は誰だ、出てこい」「台の上に登って釈明しろ」「今日出社できないことに対し、責任をとれ」「俺の1日分の給料は3000円だぞ、補償をしろ」と詰め寄られたという。

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