ウクライナの女性五人と、日本の男女六人が白い模造紙を囲み、和やかにおしゃべりしていた。二月中旬、福井市地域交流プラザの研修室。
両国の楽器の絵を描き、折り紙を貼り付け、互いの文化を紹介し合う。

スポーツや国際交流などに取り組む市民団体「One Fukui実行委員会」が主催する交流イベントのひとこまだ。
One Fukuiは二〇一九年、市内の日本語学校「福井ランゲージアカデミー」校長の井上俊秀さん(35)が発足させた。井上さんは野球の独立リーグの元選手。引退後、野球教室の手伝いで東南アジアに渡ったことをきっかけに「優秀で、熱心な海外の人たちが活躍する場をつくりたい」と、故郷の福井で日本語学校を始めた。

ロシアの侵攻で、ウクライナから国外を目指す避難民が相次いでいた昨年五月から七月にかけて、高校生の男子二人と四十代までの女性六人を身元保証人として受け入れた。生活に慣れるにつれ、女性たちから声が上がった。「ジョブ(仕事)したいです」
井上さんは自身のつてや、人材派遣会社に頼んで仕事探しに奔走したが、地方都市で希望の職種はなかなか見つからない。
工場や店員といった求人はあっても、彼女たちは母国では...
https://www.chunichi.co.jp/article/641673