欧州の軍拡競争再び、防衛費のGDP比率増へ 物価高加速か生活直撃
ウクライナ侵攻から一年となり、欧州各国ではかつての軍縮から軍事力強化への転換が進んでいる。米国主導の北大西洋条約機構(NATO)が侵攻前から各国に求めてきた防衛費の「国内総生産(GDP)比2%」を上回る目標を掲げる国も増え、冷戦期のような軍拡競争の様相となりつつある。
「もし、あしたこの戦争が終わっても、安全保障環境はすでに変わってしまった。元には戻らない」
NATOのストルテンベルグ事務総長は十八日、ドイツのミュンヘン安全保障会議で演説し、加盟国に軍備増強を促した。
世界銀行によると、欧州連合(EU)各国平均の対GDP防衛費比率は冷戦期の一九六〇年には3・8%だったが、冷戦終結を経て九〇年代後半から2%を切り、近年は1・5%前後で推移していた。多大な犠牲者を出した第二次大戦の教訓が欧州各国を軍縮に向かわせていた。
しかし中国の台頭や二〇一四年のロシアによるクリミア半島併合を受け、NATO加盟国は同年、対GDP比率を二四年までに2%に増やすことを誓約した。
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