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TSMC内部から米国での製造強化に疑問の声、米メディア報道
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230224-2601056/
同記事は、NYTが匿名を条件にTSMCの従業員11名にインタビューしたものであり、米国工場に対して従業員の多くは、TSMCが長い間進めてきた研究開発への注力が揺らぐ可能性があると考えているという。米国と台湾の文化の違いから、米国への移住をためらっているとする従業員もいるとされており、「米国での高コストによる生産」と「米国の従業員の管理上の課題」が、米国への製造プロセス移管を難しくしていると多くの従業員が指摘しているという。
一部のTSMCのエンジニアからは、アリゾナ工場にて米国で採用された従業員と台湾からの従業員をどのように融合させるかについての懸念を述べたという。台湾では、エンジニアは毎日長時間、しかも週末もシフト制のため働くことが当たり前となっているが、米国の従業員がそうした条件を受け入れなければ、アリゾナ工場で働くことになる台湾からの従業員の負担が増すことになる可能性が高いことが指摘されている。
実際、TSMCの最高財務責任者であるWendell Huang氏は、先般開催した決算説明会にて、米国の工場建設コストは台湾で建設する場合と比べて少なくとも4倍になる可能性があることを認め、その結果、TSMCの収益性を損なう可能性があることを述べている。
プライベートエクイティ会社であるKirkland Capitalの会長で元技術アナリストのKirk Yang氏は、ビジネス視点で見たTSMCの米国投資は、費用が高すぎて意味がないとコメントをNYTに寄せている。同氏はTSMCは政治的配慮のために米国に工場を設立することを余儀なくされた可能性があるが、「これまでのところ、TSMCや台湾にほとんど利益をもたらしていない」と述べたという。