〈社説〉共産の除名問題 かたくなに映る党の対応


 組織防衛の論理を優先させる対応が、かえって傷口を広げているように見える。

 共産党が、党首公選制の導入を著書などで訴えた党員を除名処分にした問題である。

 志位和夫委員長は、異論を持っているから排除したわけではない、と強調している。党のルールに従わず外部で訴えたことが規約違反に当たるとの説明だ。

 共産党には「民主集中制」という仕組みがある。議論を尽くした上で、決定すればみんなで実行する、派閥・分派はつくらない、といったルールである。それと相いれないというのは分かる。

 だが、今回の騒動への対応には党の内外から厳しい目が注がれている。閉鎖的な組織と見られても仕方ない面がある。
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023022300116