ウクライナ軍は少ない装備品をやりくりしている状況だ。味方から供与された装備品よりも、ロシア軍から鹵獲(ろかく)した装備品の方が多い。

ウクライナのゼレンスキー大統領は北大西洋条約機構(NATO)などに対し、航空機の供与を要請してきたものの、反応は今のところ乏しい。

英国はウクライナのヘリ部隊を増強するため、軍を退役した古い「シーキング」を少数供与すると表明。ポルトガルはロシア製の「Kа-32А11VS」6機を供与したが、この6機は安全に飛べる状態にすらなく、同国国防相によると、ウクライナが自ら修理する必要があるという。

「他に何ができるというのか?」

ウクライナのパイロット、セルヒー氏にとって、こうした装備品は早く到着するに越したことはない。旅団の作戦基地でCNNの取材に応じた同氏は「我々の保有機はソ連時代のものなので、もちろん新型ヘリが必要になる。現在は保有機から限界を超えた能力を引き出している状態だ」と語った。

「アパッチなど、何らかの新型へリが手に入ればうれしい。我々には意欲がある。ごく短時間で運用方法を習得できるだろう」(セルヒー氏)

ヘナディー氏は「手元にあるのは確かに古い航空機だが、何も無いよりましだ。我々に他に何ができるというのか?」と問いかける。

消耗戦となっている戦争で、ウクライナのパイロットたちは多くの友人を失った。彼らの主な武器は間違いなく、ロシア軍に比べ高い士気だ。ウクライナ兵たちは、あたかも自分たちの命がそれに懸かっているかのように、西側の航空機を切望している。実際、その通りだろう。

ユーリ氏は経験豊富な副操縦士と組む比較的若手のパイロットだが、今年だけで計100回を超える戦闘任務をこなした。「旧式ヘリを操る技量の高いパイロット。それが我々の持てるものすべてだ」とユーリ氏。「新しい機材があれば、もっとうまく任務を遂行できる。戦闘中の歩兵支援も向上するし、当然、死傷者も少なくて済む。西側モデルの方がヘリを守るシステムがはるかに優れているからだ」と語った。

今回の飛行で使われたMi8は1960年代に輸送機として開発されたものだが、現在はロケット弾を搭載する。現代のヘリやソ連時代の攻撃ヘリとは異なり、パイロットを守る装甲は存在しない。

以下ソースCNN
https://www.cnn.co.jp/world/35200515-3.html