すぐ食べるなら手前取り――。食品ロスを減らす買い方を呼びかける小学生の啓発広告(4センチ×20センチ)が、京都府宇治市内のコンビニに掲示されている。
描いた市内の小学4年生13人が10日、セブン―イレブンJR宇治駅前店に集まり、自作を商品棚に挟んだ。

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市がごみ収集車を持ち込んで小学校を訪れる環境教育の一環で夏休みにデザインを募り、応募167作品から15点を選んだ。
セブン系列の協力店で2月いっぱいをめどに置く。

おにぎりやサンドイッチは消費期限の近い品が手前に並ぶ。客が奥の品ばかりを取ると、手前の品が捨てられる可能性が高まる。

作品は〈みんなよろこぶ手前取り〉〈手前どりをすれば宇治市のヒーロー〉などの直筆コピーや「手前鳥」と名づけた絵もあって客の目を引く。

おにぎりの絵に〈わたしも食べて てまえどり〉と描いた大久保小学校の中村さちさん(10)は、
「手前に並ぶおにぎりの気持ちを表した。奥の品を選ぶより、てまえどりで食品ロスを減らしたい」と話した。
子どもたちにはエコバッグが贈られた。

セブン―イレブン・ジャパンの担当者は「若い世代から活動することで食品ロスが減る。児童の広告を使わせてもらい、地域貢献にもなる」と話した。

国の推計では、本来なら食べられる食品ロスは2020年に全国で522万トン(食品関連事業者から275万トン▽家庭から247万トン)。
国民1人あたり1日約113グラムで、茶わん1杯のご飯を毎日捨てるのに近い量だ。政府は食品ロスを30年度に00年度の半分にする目標を掲げる。

民間の取り組みから行政へ広がった「てまえどり」は、2022ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に選ばれた。

■食品ロスを減らすために

・買い物は必要な分だけ
・できるだけ手前陳列の食品を選ぶ
・消費期限と賞味期限を正しく理解
(賞味期限後すぐ食べられなくなるのではない)
・食材を上手に使いきる
・外食は食べきれるメニューを選ぶ
・食べられない物は抜いてもらうように注文時に伝える

※京都府の啓発資料から