「エホバの証人」の輸血拒否、児童虐待として弁護士らが厚労省に通報へ
2/27(月) 5:00配信

 宗教団体「エホバの証人」が、児童虐待防止に関する厚生労働省の指針に反し、子どもに輸血を受けさせないよう信者への指導を続けているとして、弁護士らが27日、厚労省に通報する。弁護士らは取材に「子どもの命に関わる重大な問題だ」としている。
 エホバの証人はキリスト教系で米国に世界本部があり、信仰上の理由で輸血を拒否することで知られる。
 厚労省の指針は昨年12月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題を受けて自治体向けに策定された。信者の親を持つ「宗教2世」への児童虐待を防止するのが狙いで、輸血を含め必要な医療を受けさせないことも虐待に当たると明記している。
 田中広太郎弁護士(東京弁護士会)によると、エホバの証人は今年に入っても、子どもへの輸血を拒否するよう信者らに指導している。信者らは、信仰上の理由で「無輸血治療」を希望すると記した「身元証明書」を子どもに持たせ、事故などの緊急時に医師らに伝えるようにしている。
 田中弁護士らは先月、エホバの証人に関する弁護団を結成した。「子どもの命が心配だ」といった声が現役の信者からも寄せられているという。
 エホバの証人は厚労省の指針公表後の昨年末、「親たちは、自分たちの信条を子どもに伝え、健全なモラルに従って生活するよう教える責任を真剣に受け止めている」などとする声明を出していた。
 最高裁は2000年、宗教上の信念に基づいて輸血を拒むことを患者の権利と認める判断を示した。一方、15歳未満については日本輸血・細胞治療学会などが08年、本人や親が拒否しても生命の危険があれば輸血を行うとの指針を公表している。

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