家族葬、残された遺族が後悔「やめればよかった」予想外の出費や親戚トラブルに要注意!

2/26(日) 11:01配信

近年、“家族葬”を選ぶ遺族が増えている。

 2020月3月から2022年3月の2年間、喪主を経験した40歳以上の男女から回答を得た葬式に関する全国調査では、半数を超える55.7%が家族葬を選択。

■コロナ禍以降の葬儀に変化

 一般葬に代わり、家族葬が主流になりつつあることがうかがえる。

「これには新型コロナが影響しています。2020年のコロナ発生以降、親族や参列者の安全面から大勢で集まる密な葬儀を避け、小規模な葬儀を好む傾向が強くなりました。そんな家族葬の需要増加に伴い、新たな問題を抱える遺族も少なくありません」

 と話すのは、葬祭コーディネーターの安部由美子さん。安部さんは葬儀業界に20年以上携わり、これまで2万人超の見送りを経験している。

「家族葬といえば、『費用を安く抑えられる』『家族だけで故人とゆっくりお別れできる』『葬儀時間の短縮』などの利点をイメージする人が多いのではないでしょうか。

 確かにそういった側面はあるものの、一方でトラブルを招く原因にもつながります。家族葬は近親者のみで執り行う小規模な葬儀の総称とされていますが、明確な定義はないため、『思い描いていた式と違う!』ということになりがちなんです」(安部さん、以下同)

■オプション費用で150万円も追加に

 では、イメージと現実はどう異なるのか。金銭面のトラブルから聞いていこう。

「葬儀社から最初に提示される見積もりは思いどおりの安い金額です。しかし式終了後の請求書では、見積もりをはるかに上回る額だったという例は何件も耳にしています」

 その差はなぜ生まれる?

「サービスの追加費用がかかるからです。例えば、最低限のプランで祭壇の飾りが少ないことに対し、『祭壇が寂しいので何かお供えしましょうか?』、家族以外の想定外の参列者が来てしまったときには、『火葬場までバスをご用意しましょうか?』と担当者に言葉をかけられ、慌ただしい中で『はい』と言えば追加。

 名簿にない参列者に受付で返礼品を渡せば追加になりますし、ご遺族への確認なしにサービスを加算されて事後報告というパターンもある。私の知る例では見積もりと実際にかかった費用の差額は、最高で150万円以上でした。

 金額に納得できず、裁判に発展した例も。リーズナブルなはずの家族葬が逆に高くつき、家族が亡くなった悲しさに経済的なダメージも加わるのはつらいことです」

 次は人絡みのトラブル。家族葬は比較的新しい形ゆえに、周囲の理解を得られないことも少なくない。

「想定外の参列者が訪れるのはそのためです。葬儀に呼ばれなかった人が葬儀後に『線香を上げさせてください』と次々自宅を訪れ、対応に追われることもあります。家族葬で簡単に式をすませたはずがフォローに手間や時間を要しては、本末転倒でしょう」

 一方、葬儀社選びにもトラブルのもとが。CMなどで格安プランの家族葬をアピールしている“紹介業者”を利用する際には注意が必要という。

「CMを流している業者は葬儀社ではなく、電話やWEBで葬儀を仲介する窓口に過ぎないのです。

 紹介先を信じて家族葬を行ったら、従業員のマナーが行き届いていないなど質の悪いところに当たった話をよく聞くので、運が悪いと不快な思いは避けられない。紹介先をうのみにしないことですね」

https://news.yahoo.co.jp/articles/2ba07377afe30a3de1d73b8003b4526174b87c66