「仁義を切って」「鉛筆なめなめ」は通じない? 「おっさんビジネス用語」の使い方と落とし穴

「よしなに」「一丁目一番地」「えいやで」…。一定の世代の社会人が職場で多用しがちなフレーズが交流サイト(SNS)を中心に話題だ。
人呼んで「おっさんビジネス用語」。
独特な言い回しを面白いと思う人がいる半面、分かるようで分からない言葉も多く、若い社員が困惑するケースもある。
送り手と受け手で認識の差があれば、「誤解を生む可能性がある」(専門家)。効果的な使い方と落とし穴をまとめた。

「新入社員時代、上司の発する言葉の意味が分からず混乱した」と話すのは、東京都の30代の男性会社員。
社内で資料を作っていると、先輩から記載する数値についてこうアドバイスされた。

「厳密すぎず、『鉛筆なめなめ』でいいよ」。
ニュアンスから、本当に鉛筆をなめることは求められていないと分かる。
それでも真意がくみ取れず、その場で戸惑ってしまった。

似たようなケースはその後も続いた。他部署と担当がまたがる案件を処理する際、
「(他部署に)仁義を切って」「事前に交通整理して」。目の前を飛び交う難解なビジネス用語に長年もんもんとしていたが、
「言葉の意味を他の人に聞いたり、自分で調べたりするうちに興味を持った」(男性)。
昨年7月、24のおっさんビジネス用語を並べた独自のビンゴゲームを作成し、自身のツイッターで公開した。

裏工作を意味する「寝技」、企画などをいったん白紙にする「ガラガラポン」。

実際の職場で飛び交っていた用語を中心に選出した。
ツイッターで反響が広がり、男性は自身が働く金融業界以外にも広く利用されているとも知って驚いた。
現在は上司や年配の取引先と距離を縮めるために意図的に用語を使用していると明かす。
https://www.sankei.com/article/20230228-NSCTZBGNR5LAXFZZSKNYFESXSQ/