「アイドリングストップやめます」バスの環境対策をなぜ 一部車種で「メーカー要請」

2023年2月、川崎市バスに乗車したところ、車内にあるお知らせが掲出されていました。

乗車した車両では、メーカーの要請に基づき、故障予防のためアイドリングストップシステムの使用を一時中止している、という内容です。

川崎市は全国的に見ても早くからハイブリッド型のバス車両を導入するなど、低公害車両やアイドリングストップをはじめとした環境対策をアピールしてきました。その事業者がアイドリングストップをなぜ中止するのか、話を聞きました。

アイドリングストップを停止しているのは、路線バス車両のなかで日野といすゞのハイブリッド車両だといいます。その理由は「なるべくエンジンに負荷をかけないよう、始動回数を抑制するため」とのこと。

というのも、燃料を吸い上げエンジン内に送るサプライポンプで故障が頻発しているものの、その対策品の開発がなかなか進まないと、製造元の日野自動車から通知があったそうで、その要請に基づきアイドリングストップを停止している状態とのこと。
なお、いすゞの車両についても日野のOEMであるため、やはり同様の措置を採っているといいます。

信号待ちなどのたびにエンジンを停止・始動するアイドリングストップは「最も負荷がかかるので、とりあえずの対策として」(川崎市交通局)それを停止しているというわけです。日野自動車は「お客様の日々の運行を止めないことを最優先に、(アイドリングストップ中止を)要請をした」としています。

日野自動車によると、サプライポンプの不具合については、いまも調査を進めているものの、対策品の完成目途はたっていないといいます。川崎市交通局は、状況が解消されればアイドリングストップを再開するということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/600153b13bf2c98fa0b57b9a8b2a180760ac6581