2009/06/23 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/10492

農林水産省が昨年10月に立ち上げた食料自給率向上のキャンペーン「フード・アクション・ニッポン」。
5月12日には、推進パートナーの味の素と全国農業協同組合連合会(全農)が、国産農産物の消費拡大策として、大々的なテレビCMと食品スーパーの店頭プロモーションをスタートすると発表した。

「従来の農水省の活動なら、コメの単発PR広告止まり。
ここまで広がりのある活動になったのは初めて」と農水省食料自給率向上対策室の牛草哲朗室長は語る。フード・アクションではほかにも、実に1200社強の民間企業が集まり、運動名称のロゴやマークを使用して消費拡大策や啓蒙活動を展開。
今年に入っては不況下での雇用の受け皿としての関心も高まり、テレビや新聞、雑誌も続々と農業を特集し始めた。

「最近では、食料自給率向上運動は、農水省の省益拡大を狙った陰謀ではないかという論説が出てきた」。味の素と全農の発表の場に駆けつけた石破茂農水相は、こう言って会場の笑いを誘った。

実は、こうした社会の反響に手応えを感じているのが、ほかならぬ電通だ。
電通は、フード・アクションの事務局を農水省から受託。裏方として、民間企業を巻き込んだキャンペーンや情報発信を手掛けている。
最近の農業ブームの仕掛け人は電通と言えなくもない。