ロシアで公開禁止 プーチン氏批判アニメ、「不戦」訴えネットで注目
2023/3/4 12:00(最終更新 3/4 16:55)

 ロシアのプーチン大統領にウクライナ侵攻の責任をとらせるため、日本刀を渡して自決を迫る。そんな激烈なロシア語の短編アニメシリーズ「マシャーニャ」がネットで注目されている。視聴回数が600万回を超えたエピソードもある。製作したロシア人アニメ作家で、イスラエル在住のオレグ・クワエフさん(56)の狙いとは。

 2001年からネット公開されているマシャーニャ(マリアの愛称)という女性が主人公のシリーズだ。日常生活のたわいない出来事が描かれ、痛烈なユーモアで毎回、「ヒヒヒ」と笑い飛ばすのがお決まりだ。ロシアのテレビで放送されたこともある。

 22年2月のウクライナ侵攻以降は、戦争批判のエピソードが続いた。「戦争を止めなければならない。ロシアの人々に見てもらい、考え直してほしい」とのクワエフさんの切実な思いからだった。

 その第一弾が侵攻1カ月後の22年3月に公開された第160話「ワキザシ(脇差し)」。

 露軍による都市破壊や市民の殺害を知ったマシャーニャは、一人でプーチン氏に会いに行き、「あんたはヒトラーのような怪物だ! 何人のウクライナ人、ロシア兵を殺せばいいのか」と怒りをぶつける。そして、日本の侍が切腹に使う脇差しを取り出し、「ただ一つの正しい解決を」と迫る。視聴回数は625万回を超えた。

 7月に公開された第162話は、「ファシストからの解放」を口実に中国がロシアに侵攻する話だ。建物が次々と破壊され、マシャーニャは子どもの手を引いて逃げ回る。登場人物はユーモラスな絵柄だが、かえって恐怖と痛みが伝わってくる。視聴は550万回を超えた。

※略※

https://mainichi.jp/articles/20230228/k00/00m/030/137000c