国連が昨年9月に発表した「電子政府ランキング」で、日本は総合14位。より上位にランクインしたデジタル先進国にもマイナカードに相当する番号カードが存在するのであろうか。

デンマークは「カードなし」
 まずは1位のデンマークから見ていこう。同国の事情に詳しいジャーナリストの坂井明氏によれば、

「デンマークでは1968年以来、国民にCPR番号という共通番号が付番されています。導入当時にはカード化も検討されたようですが、手続きの煩雑さや費用の面から断念。現在でもカードは発行されていません」

 では行政のデジタル化はどのように進められたのか。

「行政のオンライン手続きで使用するのは共通番号とは全く別のIDです。共通番号と異なるIDを使うのは犯罪防止のためで、スマホでパスポートのICチップを読み取り、顔認証も行う厳格な本人確認を経て発行されます。すでに90%以上の住民がこのIDを取得しており、住所変更はもちろん育児ケアの申し込みや遺言も可能。かつてオンライン手続きのために専用カードが使われていた時期もありましたが、セキュリティーの問題からこちらも廃止されています」(同)

 マイナカードに相当する番号カードが存在しないデジタル先進国は他にもあって、7位のオーストラリア、10位のアメリカでもそのようなカードは存在しない。

 また、11位のイギリスも一度は番号カードの導入が決まったものの、プライバシーや費用の問題から10年に法律が廃止されている。