岸田首相、小学生の安保政策を巡る手紙への返事は「出すことが困難」 「答えになっていない」残念がる児童ら

政府は6日、岸田文雄首相の2月24日の記者会見で指名されなかった報道機関などの文書による質問に書面で回答した。本紙は、東京都世田谷区の小学校の6年生36人が首相に宛てた安全保障政策について質問する手紙に返事を送ったかどうかを尋ねたが、首相は返事を出す考えがないことを明らかにした。
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 首相は「官邸にはさまざまなご意見をいただいており、その一つ一つに返事を出すことは困難」とした上で、「安全保障政策について、国民の理解を得られるよう努めていく」と答えた。返事を出すことが困難な理由は説明しなかった。
 手紙を送った小学校の6年生のクラスでは担任の教諭が6日、首相の書面回答を帰りの会で紹介した。児童からは「答えになっていない」「手紙を読んでいないのではないか」などと残念がる声が出たという。教諭は「児童は戦争が嫌という思い一つ。首相には防衛に関して何をやるにしても、子どもたちが納得できる説明をしてほしい」と話した。
 児童らは1年間の総合学習や沖縄への学習旅行を通じて日本の安全保障政策について学び、1月31日に「なぜ防衛費を上げるのですか」など10項目の質問を書いた手紙を首相宛てに送っていた。本紙は2月3日の朝刊で、児童らの手紙を報じた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234981