注文したブルーベリーラッシーをゆっくり飲みながら、話しかけちゃおうかしら、という気持ちにもなる。「あのぉ、ババアってどういう意味ですか? 私、あなたたちのちょうど2倍生きてるけど、ババアの意味がわからないのよ、教えて」。んー、気持ち悪いよね、やらないほうがいいよね……と己の気持ちをたしなめつつ、故・石原慎太郎氏の「ババア発言」は2001年だったね、もう22年も前になるんだなぁと、ため息をつきたくもなる。

 当時、名だたる女性活動家たちが裁判をおこし、石原慎太郎氏の過ちを認めさせようとしたのは記憶に新しい。それでもいまだに「ババア」という言葉は生々しく侮蔑語として活用される社会だ。悲しいことに、もしかしたらあの当時よりも、「産むなら若いうちに。産みたいときに産めなくなりますよ」というプレッシャーや、「結婚しなければ、老後は貧困になりますよ」というプレッシャーに若い女性たちは晒されているのかもしれない。もしかしたら彼女たちの周りの30代には、結婚せず子どものいない女性が存在しないのかもしれない。または結婚せず子どものいない30代が「本当に不幸」に見えるような環境で生きているのかもしれない。それは地獄かもしれない。