【学歴の暴力#4】東大卒アイドルなつぴなつ、「AKB48に入りたい」ともがき続けて味わった深い“絶望”の果てに

◆「AKB48に入りたい」その一心で東大を目指し、猛勉強の日々

 初対面の人との会話で聞かれがちな質問、「どうして東大に入ったの?」。

 毎回「勉強ができたからかな」などと曖昧にかわすのだが、恥ずかしながら大きな理由は「アイドルになりたかったから」だ。

 私は昔から、地味で目立たない子だったと思う。

 見た目が悪くてスポーツもできない、人見知りが激しく、友達も少なかった。
周囲はそんな私にいらだったのか、小学3年生のときはクラスの中心的な存在の男の子から、中学2年生のときはサッカー部の女の子などから、
自分に聞こえるように、よく悪口を言われていた。

 毎日がつらくて、自分のことも大嫌いで、常にほんのりと絶望していた。

 そんなときに出会ったのがAKB48だった。
地元の先輩があのグループに入ったと聞いて、なんとなく見るようになったが、いつの間にか、あまりにキラキラしていて、
たくさんの人に愛される彼女たちの虜(とりこ)になっていた。「私もこんなふうになりたい」と思ってしまった。

 しかし、私は昔から賢く、現状を客観的にとらえる力があった。AKB48のメンバーたちと比べて、自分は明らかに不細工だった。

 私がAKBになりたいなんて言ったら、みんな大爆笑だ。
中学2年生のころから、親にすら言わず深夜に目をかっぴらいて顔写真を撮り、こっそりオーディションに応募し続けていたが、毎回毎回、書類落ち。
自分が不細工とわかっていたから納得はしていたものの、やはり悲しかった。

 憧れは捨てきれず、毎晩、部屋にこもって、ひとりでAKB48の曲を歌って踊っていた。
『選抜総選挙』(シングル曲の選抜メンバーをファン投票によって決定するイベント)で名前を呼ばれたら何て話そうかな、なんて想像もしていた。
そのときは違う自分になれた気がして、すごく幸せだった。

(続く)
https://fumufumunews.jp/articles/-/22993

※画像は省略しました