帝国データバンク大阪支社は14日、西日本を中心に宅配ピザチェーンを展開するシカゴピザ(大阪府茨木市)が同日に事業停止し、自己破産の申請準備に入ったと発表した。

 負債額は約15億円で、同社は店舗の譲渡先を模索している。

同社は昭和61年にピザ宅配業として創業。70店舗以上を展開する「シカゴピザ」をはじめ、「どんぶり名人」「麺や逸杯」「天かつ庵」「匠屋」の宅配事業を専門に手がける。関西で認知度を高めて、関東や九州にも店舗網を拡大。令和2年3月期には約34億円を売り上げていた。

だが、同業大手との競争が激化したうえ、食材などの仕入れコストや人件費、出店資金の借入金などが重荷となって収益が低下。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要を追い風に3年3月期は営業黒字を確保したものの、飲食店や異業種によるフードデリバリー市場への相次ぐ参入もあり、同業他社間での人材獲得競争などから人件費が高騰し資金繰りが悪化していた。

帝国データバンクの担当者は「新型コロナの感染拡大が収束に向かう中、外食は回復に進む一方、フードデリバリー市場は企業間の競争が激化している。宅配を専業にしているこうした企業で今後も倒産が増える可能性がある」としている。
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