外貨準備が払底したエジプト、国庫に25万ドル預けた外国人に国籍付与

3/14(火) 10:23配信

深刻なインフレと外貨流出で最悪の経済難に苦しむエジプトが外国人に
国籍を付与する際の投資基準を大幅に引き下げたと現地メディアが報じた。

エジプトのマドブーリー首相は8日、エジプトの国庫に25万ドル(約3330万円)の
「払い戻し不可預金」を預けた外国人に国籍取得を認めると発表した。エジプト議会は2018年、
40万ドルを投資した外国人に国籍を付与する法案を成立させたが、その基準を大幅に緩和した格好だ。
エジプト政府は30万ドル相当のエジプト国有財産を購入するか、50万ドルを預けた外国人もエジプト国籍を取得できると説明した。

エジプトは新型コロナとロシアのウクライナ侵攻でエネルギーと食料が高騰し、
外貨が大量に流出するという状況に苦しんでいる。特に人口が約1億1000万人と
アラブ国家の中で最も多いエジプトは必要な小麦の約半分を輸入しているが、
ウクライナ戦争で穀物価格が高騰し、直撃を受けた。紅海周辺の休養地に集まっていた観光客が戦争の影響で急減し、
主な外貨収入源である観光産業は事実上崩壊した状態だ。

現在エジプトの外貨準備高は343億5000万ドルにすぎない。ウクライナ戦争で外国の投資家が大挙して離脱し、
現在の外貨準備高は数十億ドルが流出した昨年2月(410億ドル)を下回る。
アフリカニュースは「エジプトは最近1年間で通貨価値が半分になり、
年間インフレ率が26.5%にまで上昇するなど、過去最悪の経済危機に直面している」と伝えた。

国際通貨基金(IMF)は昨年末、エジプトに対する30億ドルの借款を承認した。
しかし、アフリカニュースは「エジプト政府が償還すべき債務が最近1年間で420億ドルに達した」伝えており、焼け石に水の状態だ。


https://news.yahoo.co.jp/articles/11109758f2ace7785b64d52d57e1b1052f44f2b5