賃上げの環境整備へ政策総動員、最低賃金1000円達成へ=岸田首相

政府は春闘の集中回答日となった15日夕、経済界や労働界の代表者と意見交換する「政労使会議」を開き、岸田文雄首相は中小企業や小規模事業者に賃上げの動きが波及するよう政策を総動員して環境を整備すると語った。

「新しい資本主義」を掲げる岸田首相は、男女間賃金格差の是正や非正規労働者の賃上げは極めて重要だと指摘。最低賃金について「今年は全国加重平均1000円を達成することを含め、公労使3者構成の最低賃金審議会でしっかりと議論をしていただきたい」と述べた。さらにこの夏以降、1000円達成後の最低賃金引き上げの方針も議論していきたいと語った。

政府からは首相のほか、松野博一官房長官、後藤茂之・新しい資本主義担当相、加藤勝信厚労相、西村康稔経産相、古谷一之・公正取引委員長らが出席。経済界からは十倉雅和・経団連会長、小林健・日本商工会議所会頭、森洋・全国中小企業団体中央会会長ら、労働界からは連合の芳野友子会長、清水秀行事務局長がそれぞれ参加した。

連合の芳野会長は会議終了後、記者団の取材に応じ、賃上げは今年で終わるものではなく、このような政労使のコミュニケーションの場を継続して設けていくよう要請したことを明らかにした。

同会議は2013年9月から15年6月まで、第2次安倍晋三政権下で開催されたが、その後は行われていなかった。今年2月、連合の芳野会長が岸田首相と面談した際に開催を要請し、経団連の十倉会長も歓迎する意向を示していた。

15日は2023年の春季労使交渉でヤマ場となる集中回答日を迎えたが、今年は急激な物価高への対応や人材確保の点から満額回答や例年より高水準の回答を示す企業が多かった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/53527905569177d83ebcc28d0d8e55a7b1307003