ウクライナを守る女性兵士、5000人以上が前線に 男性に総動員令の一方で…

ロシアの侵攻を受けるウクライナでは5万人以上の女性が従軍している。同国国防省によると、そのうち5000人以上は兵士として前線に立つ。軍での女性比率は約2割に達し、欧州各国の中でも高い。男性に総動員令が敷かれてもなお兵力が不足しており、女性も従軍せざるを得ないためだ。

「私たちは短距離走者じゃなくマラソン選手。(戦争という)雨天は長く続くが、先には勝利がある」。ウクライナ国防省で広報担当を務める女性マルガリータさん(26)は侵攻1年を控えた2月上旬、インスタグラムにこう書き込んだ。
 マルガリータさんは記者から軍人に転身した異色の経歴の持ち主だ。アカウントには軍服姿の写真が並ぶ一方、「誰もが疲れ、心の痛みを抱えている」「やるせなさがある」と弱音とも取れる投稿もある。
 やはり女性のアンナ・マリャル国防次官によると、ロシアが南部クリミア半島を併合した2014年と全面侵攻が始まった22年、軍での仕事に就く女性が急増した。任務も戦車乗組員から砲兵、潜水士まで幅広い。マリャル氏は「女性は(過酷な)仕事でも選択する権利がある」と話した。
 ウクライナの女性兵士の活躍は、兵力不足と表裏一体だ。昨年2月に侵攻が始まった時点で、ロシアの総兵力が85万人以上に対してウクライナは20万人程度。米誌フォーブスなどによると戦車はロシアが約1万2500両を保有する一方、ウクライナは約2400両にとどまった。国家の存亡がかかる中で女性も志願せざるを得ず、女性兵士も前線で犠牲となっている。

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