日本の大手企業の多くでは、いまだに「新卒一括採用」を続けていますが、これは日本独自のものです。このようなシステムを採用している国は世界中を見渡しても、ほとんど見ることができません。

就職活動が始まると、就活生は髪を短くしたり、黒く染め直して、企業訪問に備えます。エントリーシートを提出し、筆記試験、数回にわたる面接を経て、ようやく企業から内定をもらうという流れを踏みます。
これは、大学生が日本で社会人になるために、避けては通れない一種の通過儀礼として定着しています。
その後、内定にいたるわけですが、この時点でも多くの学生は、自分が就職後にどんな仕事をするのか、会社から知らされることはありません。配属されるのは営業か、企画か、はたまた経理部か? 
さらには東京本社で働けるのか、それともどこか地方の支店に行かされるのか、すべては彼らを受け入れる会社のさじ加減次第なのです。

このように多くの日本人は、社会人人生の最初から自分の仕事を主体的に選ぶことなく、会社の言うがままに働いていることになります。一応、希望も聞かれますが、その希望のとおりになるとは限りません。
仮に意に反した結果であったとしても、異議を唱えることは許されないのです。 
このように改めて言葉にすると、とてつもなく理不尽な話なのですが、多くの人が「これが普通だ」と最初から刷り込まれてしまうのが現実です。

https://toyokeizai.net/articles/-/602708