戻らぬ日本人観光客

 リゾートホテルが建ち並ぶグアム島随一の繁華街・タモン地区では、カップルがレストランのテラス席で食事をしたり、
家族連れがショッピングモールで買い物をしたりしていた。

 日本語の看板を掲げる店も目立つが、日本人とおぼしき姿はちらほら見かける程度だ。地区の北側に向かって歩いてみると、
真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海が目に飛び込んできた。タモンビーチだ。しかし、ここでも格安航空会社(LCC)が
グアム便を増やしている韓国からの観光客は多いが、日本人はほとんどいなかった。

 国内旅行業者約1100社でつくる一般社団法人「日本旅行業協会」(JATA)が2月上旬に実施したグアムへの視察に記者も同行した。

 グアムは年間を通して温暖な気候で、成田空港や関西国際空港などから3時間半ほどで行けることから「安近短」の観光地として日本人に人気だ。
コロナ禍前の2019年にグアムを訪れた来島者約166万6000人のうち約40%の約68万4000人が日本からだった。

 だが、グアムでコロナの初感染が確認された20年3月にロックダウンが実施されると、観光客は激減。20年に訪れた日本人は
19年比約80%減の約14万4000人、21年はさらに減少し約4000人にまで落ち込んだ。22年には日本の水際対策が緩和された影響もあり、
2万3000人ほどが訪れたが、コロナ禍前の19年の3%程度に過ぎない。

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https://mainichi.jp/articles/20230315/k00/00m/040/051000c