ロシア本土も巻き込む戦争へ、新局面への予兆か。ブリャンスクのテロ事件とロシア義勇軍団。

https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20230321-00342019

ロシア当局が初めて、国内の領土でウクライナ側と衝突があったと認めた。3月2日のことである。

2022年2月の戦争開始どころか、2014年のクリミア併合とドンバス紛争から見ても、初めてである。

これが3月前半のウクライナ戦争関連で、筆者が一番気になった出来事である。

ロシア当局は3月2日、ウクライナ人民族主義者のグループである破壊工作員が、ロシア領内のブリャンスク州のリウビエチャネ村に侵入。
乗用車に乗っていた民間人2人を殺害し、11歳の少年が負傷したと主張した。

プーチン大統領はテレビ演説で、「ネオナチ」と「テロリスト」が「市民に発砲」した攻撃を非難、「我々は彼らを粉砕する」と言った。

そして実際に、ウクライナに軍事的に報復した。

それまでの数週間の中でウクライナへの攻撃は、最大規模のものとなった。
その上ロシアでは、テロが誇張されて恐怖を煽るように伝えられた。

しかもミハイル・デリアギン議員は「ゼレンスキーの粛清」を呼びかけ、チェチェンのカディロフ首長は、ロシア南部の戒厳令を要求した。実行犯は「ロシア義勇軍団」という、ウクライナで結成された反プーチン組織であることになっている。