エチゼンクラゲ

エチゼンクラゲは体がベタベタしており、弱って泳げなくなると体の表面に細かいごみがまとわりつき、重くなって沈んでしまう。このような形で、地球の生物地球化学的循環(生物循環)に寄与している。

エチゼンクラゲにはしばしば魚が寄りついているが、相利共生ではなく一方的な寄生だと考えられている。京大フィールド研の2007年の研究では、エチゼンクラゲの約95%に魚が寄りついており、大部分がマアジの稚魚である[6]。毒のある触手の間をアジが隠れ家として利用しており、同時にエチゼンクラゲが集めたプランクトンを横取りしている(アジはクラゲを食べないようだ)。このような形で、アジはエチゼンクラゲとともに成長しながら旅をしていると考えられている。

またイボダイは隠れ家として利用しながら同時にエチゼンクラゲを捕食している。傘が破られると海底に沈んでしまい、貝・ヒトデ・カニなど海底の動物たちの餌食となる。このような形で、エチゼンクラゲが海底の食物連鎖に寄与する点も大きく、例えば、福井県では高級食材の「越前がに」として知られるズワイガニもエチゼンクラゲを捕食している[7]。

天敵としてカワハギ類があげられる。特にウマヅラハギは集団でエチゼンクラゲを襲うことが判明し、石川県のカワハギ漁の漁師がエチゼンクラゲをウマヅラハギ漁の餌として実験して効果が確認されている(当地ではカワハギというとウマヅラハギのことであり、ウマヅラというとウスバハギのことである)。フグ目の仲間では、カワハギ類やキタマクラなどフグ類の魚が、弱ったり死んだエチゼンクラゲの傘を食べている事例が目撃されているが、ウマヅラハギは元気なエチゼンクラゲを生きたまま毒のある触手ごと食べてしまう。

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