ウクライナの首都キーウを日本の岸田文雄首相が訪問したことについて、市民は「象徴的で強いメッセージだ」として前向きに受け止めた。

キーウに住む大学の非常勤講師ティムール・サンドロビッチさん(38)は「政治的な調整に時間がかかるのは仕方のないことだが、一言で言うと『やっと!』という気持ち」という。「中国のリーダー(習近平〈シーチンピン〉国家主席)が、(国際刑事裁判所から戦争犯罪容疑で)逮捕状が発行されたばかりのロシアのプーチン大統領と会った翌日に岸田氏がウクライナを訪れた。たまたまかもしれないけれど、日本はウクライナとともにいる、というとても象徴的で強いメッセージになった」と評価する。

 キーウ在住のスペイン語講師、オレクシー・オットキダシュさん(25)は、アジアの指導者の訪問は珍しいとして、「とても驚いた」という。その上で、「この戦争が欧州だけのものではなく、全世界を巻き込んだもので、日本が自由世界とともに全体主義に立ち向かっていることを明確に示した」と話した。

 キーウに住む語学講師のクリスティーナ・ボーディアジュさん(24)も「岸田首相のような重要性を持つ政治家の訪問は、ウクライナにとってより多くの支援を意味するものだ」と歓迎した。

 キーウ近郊出身の元志願兵で現在は西部イワノフランキウスクで療養中のアルチョーム・ルトチェンコさん(31)は、岸田首相が主要7カ国(G7)首脳の中で一番最後の訪問となったことについては「たとえ遅れたとしても、訪問によって岸田首相と日本国民が、ウクライナの自由と領土の一体性を支援していることを表したのは変わらない。私は肯定的に受け止めている」と評価した。

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