野球があることで社会になんの良い影響も与えない 
意味も存在価値も一切ない文化


自分自身の現実の生活の貧しい者ほど、他人のものごとを追い、
プロスポーツやアイドル、マンガやアニメ、スマホにはまる。

祭りは麻薬やギャンブルと似た興奮を伴うもので、たまにならいいが、
常習化すれば、まともな生活が破綻するものだ。
ところが、いまやプロスポーツイベントは、年中、隙間がないほどつまっている。

プロスポーツは、あれはもともと新聞やテレビが、ネタ切れにならないように販売促進で始めたものだ。
やればどちらかが勝つのだから、かならずニュースにできるわけだ。
政治に関心をもって庶民に騒がないように、報道番組の半分も使って国民を中毒にしている。
アイドルも、夢を売る、 と言えば聞こえがいいが、
もてない者たちに虚像を味合わせてはカネを巻き上げ、力を奪い、去勢している。
マンガやアニメも単純記号化するまで徹底的に複雑な情報を削ぎ落し、
その一方で、刺激的な色や音、暴力とエロ挑発で、
ギャンブルやスポーツ、アイドル同様、内的な昂奮を誘発する。
スマホは、つねにサイコロを振っているのと同じ。
開けばなにかいい話が出てくるかもしれない、と、刺激を求めて開いて画面にくぎ付け。
バカでもわかるし、バカでも楽しめるようにし、麻薬同様の中毒性でもって人々の思考や判断を奪っている。

貧しい人を見てみると、衣食住も余裕がないのに、
家賃の高い町中に住みたがり、部屋の中はガラクタだらけ。
これこそが、現代の消費社会に毒された典型的なバカ者じゃないか。
自分自身がみじめであればあるほど、他人のものごとを追いかけ、
身の回りはブランド品やら、スポーツファングッズ、アイドルグッズ、アニメグッズが溢れかえる。
次から次へとスマホの新機種に乗り換えるのも一緒だ。
ちょっと前まではパチンコだったものが、
そのカネと時間の消費がプロスポーツやアイドル、マンガやアニメ、スマホにシフトしただけではないか。

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授