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英明・下村健太郎「自分の持ち味出せた」…サイドスローから９０キロ台のスローボール
甲子園球場（兵庫県西宮市）で行われている第９５回記念選抜高校野球大会第２日の１９日、英明（香川）は２回戦で智弁和歌山（和歌山）に３―２で競り勝った。序盤からピンチの連続だったが、堅守でしのぎ、流れを呼び込むと、リリーフした寿賀弘都、百々愛輝両投手が踏ん張った。３回戦は第７日の第３試合で作新学院（栃木）と対戦する。
二回二死満塁のピンチの場面。マウンドにいた下村健太郎投手は、表情を変えることもなく、サイドスローから９０キロ台のスローボールを投じた。「打者は力んでいる」。うまく狙いを外して遊飛に打ち取った。
８回、本塁に生還しガッツポーズ
入部当時は内野手だったが、相手の手元でぶれるクセ球を見込まれ、１年生秋で投手に転向した。
初戦を突破し笑顔でアルプススタンドに向かって駆ける選手ら
１２０キロ台の直球とスライダーが主な球種だが、絶対的な決め球はない。だが、クセ球に加え、遅いながらも３０キロ差ある緩急や打者のタイミングを外す駆け引きで要所要所をしめてきた。「打ち急いでいる打者には、わざとボールを長く持ってじらす」という。
声援を送るチアリーダーの猪塚紗蘭さん（手前）。「甲子園で応援するのが目標だった。爽快です」
この日も投げた六回まで毎回安打を打たれたが、相手のアルプス席からの応援すら「自分のことを応援してくれている」と思えるほどの強心臓でしのぎ、チームの選抜初勝利を引き寄せた。「自分の持ち味を出せて、さらに自信につながった」。会心の笑みをみせた。
