ドイツ銀行とかで語られる数千兆円のデリバティブの額は、想定元本というもので、事実上の保有額とは極端に額に差がある。
ネッティングという処理をして相殺可能な取引を相殺しまくった、実際の価値は、その数パーセントどころか1%切ったりもする。

想定元本でいうと、日本の主要なデリバティブディーラーの額も冗談みたいな数字になる。

以下、日銀が発表してる2022年末のデリバティブ想定元本の公表から引用する

>わが国の主要デリバティブ・ディーラーによる 2022 年 12 月末のデリバティブ取引残高について想定元本でみると、
>OTC 取引が 69.5 兆米ドル(前期比+9.9%)、取引所取引が 6.2 兆米ドル(同▲18.1%)となっている。

計算すると、たぶん1京円弱くらいになんじゃね。

これをネッティングやって実際の価値を出すと

>○ OTC 取引残高をグロス市場価値ベース2でみると、正の市場価値が 1 兆 523億米ドル(前期比+34.4%)、負の市場価値は 1 兆 593 億米ドル(同+30.8%)となっている。

>○ また、ネッティング契約によるカウンターパーティ・リスクの削減効果を考慮した OTC 取引の市場価値残高をみると、ネッティング考慮後の正の市場価値が 4,769 億米ドル、負の市場価値が 4,842 億米ドルとなっている。
>想定元本残高に対するネッティング考慮後の正と負の市場価値の割合はともに 0.7%となっている。


要するに、こんな感じに激減して、実際の価値は想定元本の1%切っちゃうわけ。

ドイツ銀行も同じで、数千兆円のデリバティブといっても、それは想定元本の話であり、
ネッティングした後に出した正負の市場価値は、その1%くらいでしかないの。

これを知らない人が多いんで、ドイツ銀行が数千兆円のデリバティブ抱えてるからヤバいみたいな話に引っ掛かる。