タラバガニの半値、味も上々…「ゴールデンキング」とは? 米のロシア産禁輸で日本にも
昨年以降、タラバガニやズワイガニ、ケガニなど、カニの高値が目立つ。そんな中、「ゴールデンキングクラブ」という少し聞き慣れない大型のカニが台頭してきた。味の評判も上々。食べ応えの良さで人気のタラバよりも大幅にお買い得とあって、評価がじわじわと上昇している。(時事通信水産部長 川本大吾)
【写真】築地場外市場の極東食材で販売されているゴールデンキングクラブ
ゴールデンキングは、ほぼ全身がとげで覆われ、脚などにやや丸みがある。タラバなどに比べるとややオレンジがかった色をしている。和名は「イバラガニモドキ」といい、オホーツク海やベーリング海などに生息。ロシアが主な原産国で、日本での漁獲は少ない。
近縁種の「イバラガニ」は漁獲量が少なく、「モドキ」の方が流通量は多いという。しかも、タラバと比べても「甘みがあっておいしい」と言われており、単に「イバラガニ」として流通することも少なくないようだ。
◆ウクライナ侵攻で「大幅に安く」
水産関係者によると、ゴールデンキングはこれまで米国ではタラバと同様に人気があり、たくさん消費されていた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、米国がロシア産水産物の禁輸に踏み切ったことで、膨らんだ在庫が日本へ入るようになってきたという。
ロシアの業者とカニを取引する日本の水産業者は、「これまでゴールデンキングを仕入れようとしても、米国の需要が高いことから値段が高く、なかなか取引できなかった」と手応えを感じている。しかし、米国のロシア産水産物の禁輸以降は「現地の業者から大幅に安く仕入れられるようになった」と話す。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d56a1429a643be2071bbeec8a1becc735cdca7ed