>>3 中国外務省の副報道局長の要職にあった趙立堅(ちょう・りつけん)氏が突然、職を解かれたのは今年1月のことだった。
全国紙外信部記者の解説。
「中国外務省のオフィシャルサイトに、趙氏が同じ外務省の国境・海洋事務局の副局長に異動となったことが公表されたのは1月10日でした。昇進でもなく、また前触れもない形での“事後報告”だったため、その理由をめぐって様々な憶測が飛び交うことになりました」
2020年から報道官を務めた趙氏は日本やアメリカなどに対し、“威嚇”とも取れる挑発的な発言を繰り返すことで知られた存在だった。昨年7月、中国海警局の公船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海へ侵入したことに日本が抗議すると、趙氏は「日本の右翼漁船に対する現場の法執行だ。日本がとやかく言う権利はない」と開き直った。
「また昨夏のペロシ米下院議長の台湾訪問前には“(訪問は)中国内政への干渉であり、中国軍は決して座視することなく、断固たる対抗措置を取る”と恫喝しました。また過去にはオーストラリア人兵士がアフガニスタン人の少年の喉にナイフを突きつけているかのような“合成画像”を自身のSNSに投稿し、物議をかもしたこともある」(同)